Column


① Headphoneとハイレゾ

 

NewsでUpしました雑誌『ヘッドフォン王国』の取材。


せっかくなので記事の追記として、主に本でも書かれたHD650を使っている経緯を。

 

インピーダンスがくせ者ですが、ちゃんと鳴らせば良い音だと思います。
AKG Q701,Sony MDR-Z7,Shure SRH-1840,のいずれかを買うつもりでお店に行きましたが何故かHD650になりました。
自分の作品で試聴し、シンバル等の誇張のなさが決め手でした。

ミッドレンジのプッシュ感はあまり無いですが、そこはスピーカーに委ねるとして落ち着いた感じです。

まず、1度お店で試聴した機会があったZ7が第一候補だったのですが、
そこそこエージングされてるであろう試聴機が駄目だったのか(中古を試しても同じ印象だったのですが)センターが中心からずれていた様な印象でした。
それと独特なLowの再現性。ST900のデメリットに感じる所は全て解消して感じたのですが、やはりリスニング目的が強く出ているのかもしれません。

全く駄目というわけでも無く、HD650が無かったら選んでたかもしれませんが、

重量も含め見送りました。

ST900と同様(価格帯が違うので比べてはいけませんが)エージングうんぬんより新品が一番良い音がするのかもしれません。
ハイレゾ対応との事ですが、仮に趣味目的で選んだとしてもハイレゾ作品の醍醐味をヘッドフォンで味わう気持ちには2016時点で思いません。

AKGのQ701ですが、想像していたパフォーマンスでは無かった事と、シンバルの響き方がキラっとしていて(Highが誇張していて)却下にしました。
これもキラっとと言っても決して悪いわけではなく、仕事レベルでこれじゃ困ると言った感じです。

 

1840ですが、新しい感じで、これでチャレンジしても良いかなとも思ったんですが、

オールジャンルで仕事を請ける自分のスタンスには対応しきれないかと思い、

却下しました。

 

と、まぁ色々書きましたが、HD650も本来の力を発揮させているかと言うとまだまだ謎な部分もありますが、

と言うのも、自分のヘッドフォンアンプはST900を鳴らす用に特別にチューニングして作ってもらった物なので、とはいいつつも900も時々使うので改造してもらうか現時点で検討中です。

 

ブログも書かなくなったので、ついでにハイレゾに関して。

同業者との飲み会とかでは口すっぱく公言しているのですが、

やはりハイレゾと言われる作品をだすのであれば、それを目的として制作をしないと駄目だというのが僕の持論です。

当然のごとく録音プロセスやミックスで使うプラグインをCDを目的とした作業とは一緒に出来ないからです。

jazz系の仕事では、将来的にもハイレゾ配信を希望される事も見据えハイサンプリングで作業はしますが、ハイレゾ配信を希望する場合は是非ともミックスし直したい限りです。

最近ではメジャー系の仕事でPOPSでも96kHzで作業するようになりましたが、とうぜん44.1kのCDに落とし込む作業は骨が折れます。

DSDもそうですが、上の周波数よりもLowの再現性の高さの方が僕的には魅力的で好き好んで許される現場ではDSDとかをマスターに使うわけですが、

当然歪みも気をつけなきゃいけないし(エラーとか)上が入るからと言って好き放題やるとノイズの嵐なわけで、この辺りを勘違いしている制作者が多くみられます。
よく言う空気感や奥行き、臨場感に関してですが、

これこそ20k以上までフィールドが広がるゆえのLowMid-Lowの飽和しない余裕による恩恵だと思います。理論的な事は書きませんが抽象的にとらえるとそんな感じです。

身近で一番ハイレゾを感じれる楽器といえばドラムなわけですが、soundtoysやUADのテープシュミレーターなんか噛ました瞬間に20畳から4畳半になる感じなわけで、これでは買ってくれる方を裏切る行為になりかねませんので道具の使い方には注意が必要です。

デフォルメする時は、あえてデフォルメしているわけであって、モノラル時代のアナログ盤の時代からそれは変わりません。

存在しない花の色が最終的にその作品の持つべき姿を現すのならば嘘でも絵の具を混ぜるわけで、言葉にできないそう言ったアーティストの脳みその中にある想像力を具現化するのが我々の仕事であり、使命であって、ハイレゾかCDかなどというのはお店に新しい額縁とキャンパスが売ってたよ〜と勧めてあげてるかどうかに過ぎないわけです。

聴き方は自由。

巨大な半紙に極大の筆で一文字書かれた『書』が飾ってあるのを美術館で見るか、それを写真に撮られたwebに載った物を見るか。

当然前者の方が制作者の意図は伝わるし嬉しいけど、感受性豊かなひとだったらイミテーションでもダイナミックさは感じるわけで、その作品が素晴らしかったら最終的にオリジナルを欲しいと思うわけで、じゃあwebに載せるにあたってより良いカメラで撮影しようか。とか、4kディスプレイで見ようか。とか。そこまで行ったら興味はありませんがご自由にどうぞ。と言った感じです。

本物を買って、部屋に飾るさいに額縁や照明の具合を調整するのならそこには興味はあります。

読む人が読めば言ってる事がなんなのか察すると思いますが、

さっきから言いたいのは途中のカメラとか4kとかは眼中にも無くて、どんな額縁に入ろうがそのオリジナルが本来持っている良い部分をいかに描写するかに命を懸けているいるという事です。仮にへんちくりんな額縁に入れられたとしても失われない存在感を残すために。

 

というわけで、だいぶ話が変な方向に行きましたが、

ハイレゾに関してどう思われますか?と聞かれれば、僕はそれを決める権利はないので何も思いませんってだけです。ハイレゾで残したかどうかなんてアーティストが決める事ですから。

 

これらは本質であってビジネスとは切り離して考える思いです。

 

ハイレゾで残したいと言われれば、その環境で最善を尽くすだけです。

もちろん、良い音で聞いてくれたら一番嬉しいですけどね。